旅先では日本語を喋るタクシーには騙されるなかれ

韓国に行った際、現地スタッフに「日本語を喋るタクシーがいますが、騙されないように気をつけてください」と耳にたこができるほど忠告を受けていた。

しかし、2日目の朝、お城を見に行ってからサムゲタンを食べに行こうという話をしながらホテルをでると、日本語を喋るタクシー運転手が目の前に現れた。
瞬時に、ガイドさんの顔が浮かぶものの、駅まで歩く時間と目的地へ車でいくのとそう変わらないという魅力的な事実を知らされ安上がりに電車にのるか、はたまたタクシーに乗るか悩んでいたのだが、結局押しに負けてタクシーに乗ってしまった。

運転手と客が必ずと言っていいほどする会話をかわしていると「おじさん、君たちのこと気に入ったから観光に連れて行ってあげよう。お土産も、色々まけてくれる店を紹介してあげる」と勝手にツアーにされてしまったのだ。
後からよく考えれば、おじさんがいなくても、値切り文化のある韓国では、まけてもらえたのだろう。しかし、ツアーの主導権はおじさんが握っているのでどうしようもなかったといえばそれまでである。

今思えば乾いた笑いしかでないが、おじさんのおかげで電車の乗り換えが分からなくて悩むということや、行きたい所へ行くまでに迷子になるということもなく、短時間で効率良く回れたのも事実でありありがたい話である。ただ、1日だけで終われば良かったものの、翌日も待ち伏せされ、半ば強制的にランチに連れて行かれてしまったのだ。
友人は、韓国人と面持ちが似ているということで、おじさんにとても気に入られ、タクシーを降りては、始終、手をつないで歩かされ、私が買い物している際には口説かれ、韓国に永住することを勧められていた。

2日目にいたっては、数枚のお見合い写真ともとれる写真を見せられどの人がいいかと問い詰められていた。この2日間での被害総額は普通のタクシーに乗った計算で行くと一切なく、日本円で言うと500円ほど安くなっていたものの、友人のセクハラに対するメンタル的被害は相当大きかったように見受けられる。

韓国にも慣れ、友人ができた今では、そんなことは一切なく、初の韓国旅行での思い出を、今では笑い話にできるくらいにまでなっている。